交換留学や研究留学、もしくは駐在などアメリカに来られる方には様々な理由があると思います。しかしテニスプレーヤーなら、アメリカでもテニスをしたい。そんな思いはみなさん共通して持っているのではないでしょうか。この記事は人たち向けに、アメリカのアマチュアテニス界の仕組みと参加方法を解説した記事になります。
USTA Leagueがアマチュア界最大のリーグ
USTA Leagueはテニス協会公式のレベル別リーグ
USTAとはUnited States Tennis Associationの略で、日本で言うところの日本テニス協会になります。USTA Leagueはそんな公式団体の取り仕切る団体戦の枠組みです。レベル別になっており、個々の選手は基本的に自分に割り当てられているレーティングのリーグ戦に参加します。リーグ戦のレベルは初中級者の3.0から0.5刻みで大学選手クラスの5.0まで幅広く存在します。*1 前年の成績が良ければ受けのレーティングに上がったりするわけです。
日本でそこそこテニスをしてきた人は4.0辺りになるのではないでしょうか。4.5までくると元テニスコーチもしくはテニスコーチができるくらいの実力がある人が多い印象です。*2
テニスクラブごとに存在するチームに所属する
チームはキャプテンとなる人が申請することで発足しますが、各チームにはホームとなるテニスクラブがあり、試合は対戦チームのどちらかのホームクラブで行われます。必然的に近隣のテニスクラブにあるチームに所属する人が多いですが、特に縛り等は存在しません。また、チームの所属するテニスクラブの会員である必要があるかどうかはそのテニスクラブのルール次第なので、キャプテン等に問い合わせるのがいいでしょう。*3
各レベルごとに全国大会まで存在する
レギュラーシーズンは比較的近隣のエリアのチーム同士でリーグ戦を行います。ここで好成績を収めればプレーオフへ進出し、ここでも勝ち残ればSectionalsと呼ばれる州単位の大会に出場できます。*4 このSectionalsで優勝したチームにはNationals、つまり全米大会への出場権が与えられるわけです。USTA Leagueの素晴らしいのは、トップの5.0だけでなく各レベルのリーグにSectionalsとNationalsがあるところでしょう。めちゃめちゃ上手くなくても、真剣に競技テニスをプレーするモチベーションがあるというのは日本でもぜひ取り入れて欲しいところです。
参加の仕方
さて問題なのは参加の仕方です。各地域のリーグにはリーグコーディネーターなる人物が存在し、彼らに連絡してチームを探している人リストに載せてもらうという方法がまずあります。しかし、実際には地域をよく知る人に紹介してもらうのをおすすめします。中には運営の酷いチームや、マナーの悪いチーム、他のチームから目の敵にされているチームなどが存在していて、それらに何も知らずに所属すると後で苦労する場合もあります。
知り合いがいないなら、まずテニスクラブに行って知り合いを作るところから始めましょう。いきなり所属しようとせずに、まず情報を集めるのがいいと思います。ウェブサイト等で過去のチームの戦績を見てみるのも1つの手かもしれません。往々にして長く存在しているチームは良いチームのことが多いです。*5
また18歳以上リーグや、40歳リーグ、ミックスダブルスリーグなど様々な種類が存在します。この辺は自らの経験をもとに個別に記事を書きたいと思います。
大学でやるならTennis On Campus
サークルに近いTennis On Campus
アメリカの大学の公式テニス部は少数精鋭で、テニスで入学する人たちで固まっているので、普通の学生は参加することができません。*6 日本でいうところのサークルの立ち位置にあるのが公式テニスクラブです。各大学に1つしかないという点ではサークルと違いますが、門戸が広く、特に制約がないなどほぼサークルと言って差し支えないと思います。
ふわっとやる人たちとTraveling Teamに分かれる
たまにテニスしたいなというような人もいれば、本格的にテニスがしたいという人もいるわけで、後者の人たちはテニスクラブ内でもTraveling Teamに所属する場合が多いでしょう。Traveling Teamは他の大学のテニスクラブが集まって行われる大会に遠征したり、Tennis On CampusのNationals出場権をかけてSectionalsに出場したりします。出場できる選手数に限りがあるので、遠征の度に選抜があります。
参加の仕方
各大学のFacebookグループページ内にテニスクラブのグループがあることがほとんどで、そこにほとんどの情報がアップされます。またクラブによっては、公式ウェブサイトがある場合もあるようです。
大体の場合、一年いくらという年会費を払えばあとは完全に自由です。遠征などの際には別途お金を払うことになります。時期やクラブによっては人数が多過ぎてまともに練習できないこともあるので、クラブに顔を出して友達を作り後日少人数でテニスをするのが主流です。
ただし中にはクラブにしっかりコーチを付け、入る際にも実力で選抜をかけるような大学もあるので注意が必要です。*7 こういう大学ではクラブに多量の予算が付いていて遠征費は自腹を切らないとかいうパターンもあるとか。
あとがき
Tennis On Campusなら同い年辺りの友達ができてワイワイ楽しいかもしれませんが、USTA Leagueは普通なら出会わない年配の人たちと友達になるチャンスでもあります。知り合いの中にはUSTA League人脈で就職する人もいましたから、コネが物を言うアメリカでは馬鹿にできません。学生には少々ハードルが高いところもあるかもしれませんが、参加しようとしてみるのをおすすめします。
はりねずみ的にまとめると
*1:レーティング自体はこれよりさらに上に7.0あたりまで存在しますが、その辺はトッププロになりますし、リーグ戦が存在するのは5.0までです。
*2:州によって多少違いがあるので一概には言えません。
*3:チームの半分は会員でないとだめというルールがある場合もあります。
*4:地域によってはいくつかの州をまとめてSectionalsを開く場合もあります。
*5:空きがないというパターンもあり得ます。
*6:一応慣習としてトライアウトをする大学もありますが、大きい大学ではまずチームに入るのは困難でしょう。
*7:これは同じ大学でもスポーツによって違ったりするので、ウェブサイト等を確認してください。